All Reviews巻頭言から:アフガニスタン情勢を多面的に見る
コロナ禍が収まる見通しも見えない中、世界各国では政情が刻々と変化しています。
最近はアフガニスタン情勢がずっと気になり、できる範囲で国内外のニュースを一つ一つ追いかけています。
米軍の撤退に伴い、政権奪取に成功した今度のタリバン政権は、女性や少数派の権利を認めるとしていますが、本当に尊重するかどうかが注目されています。
奪取前は公務員の多くを占めていたといわれる女性職員の登庁も以前のようにできていないという話も聞きました。
アラビア語のことわざに、「約束は雲、実行は雨」という言葉があります。雲は作れても、雨を降らせるのは困難である、約束は果たされてこそ意味があるが実現は難しいという意味だそうです。
必死に国外脱出を図ろうとする人々の映像を見て、とても心配な気持ちになりました。
今後、アフガニスタンの新政権が約束を雲で終わらせないかを、私たち個人個人が注視していく必要があると思います。
外国勢力が侵攻するもしばしば失敗するという過去の歴史から、アフガニスタンは「帝国の墓場」とも呼ばれます。
大国の支配下、あるいは原理主義国家の支配下にあり、人々はその「墓場」で何を感じながら暮らしてきたのでしょうか。
こればかりはニュースを見ているだけではなかなか伝わってきません。
でも人々が語る物語には、その力があるのだと思います。
All Reviewsでは過去に、夏休み企画〈書評でGo on a Trip!〉と題し、書評を読むことで世界中を旅できる特設コーナーを作成しました。
「中東編」にはアフガニスタンはもちろん、トルコ、シリア、イラン、イラクなど周辺地域を含む様々な国々の物語を書評とともに紹介しています。
この時期、ぜひ本を通じて中東地域を旅してみてください。
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