日経新聞 特集「パクスなき世界」から

先月の日経新聞に、コロナ禍を受けて世界が今後進んでいく方向についてとても興味深い特集記事が組まれていました。お読みになった方も多いと思います。

古代ローマの平和と秩序の女神、「パクス」がいなくなってしまった現状について各方面の専門家のコメントと共に、20世紀から引き継がれてきた価値観の再構築を促す大変読み応えのある特集になっていました。

平和と秩序が失われたこの時代において、私たちは何を求められているのでしょうか。

現在、中国を中心とするアジアの新興国の経済力は2020年に米国を中心とする先進国を追い抜く見込みとなっており、私たちは150年ぶりの経済覇権交代の真っただ中にいるとのことです。コロナ禍による危機は秩序転換の流れを速めています。

それに伴い、私たち個人個人の働き方や生き方にも変化を求められています。

帝国データバンクによると、9月30日時点で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は、全国に563件確認されています。特集にも書かれていましたが、「企業に所属するだけで豊かさの恩恵を被ることができる時代は終わった」といえるのかもしれません。

またそれは、組織頼みで働けばよかった時代から、より個人にフォーカスされる時代への移行、ということなのかもしれません。

想定外のことが連続的に起きるこの不透明な時代を、主体的に生き抜くために必要なことを一人一人が考える必要があります。

一橋大名誉教授・石倉洋子氏は同特集で「組織に依然せず、自分が社会に提供できる価値を見極めてほしい」、「想定外を想像するのは個人にとっても重要だ。自分が働いている会社がいつまで続くかも分からない。個人が勝負できる武器を持つべきだ」と述べ、常にWhat If?と想定外の事態を想像するスタンスと備えが必要だと強調しています。

今求められているのは、私たち個人個人ぞれぞれが自らにイノベーションを起こすこと、といえるかもしれません。





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